~自治体初の家族情報が登録できる生体パスポートにより、スマホを持たない層も利用しやすく~
加賀市
株式会社Liquid
北陸初の国家戦略特区である石川県加賀市(市長:宮元 陸)と、生体認証技術に強みをもつ株式会社Liquid(本社:東京都中央区、代表取締役:長谷川 敬起)は、顔認証とマイナンバーカードによる公的個人認証を活用した生体パスポートにより、市内で買い物や施設利用といった様々なサービスを“手ぶら”で利用できるようにする「加賀市版スマートパス構想」を始動します。年度内に試験運用を実施した後、2024年春に市内施設での本格提供を順次予定しています。
■「加賀市版スマートパス構想」について
本構想は、顔認証による生体パスポートにより様々なサービスを“手ぶら”で受けられ、便利で安全に過ごすことができる未来社会の実現を目指しています。IAL3(*1)という最も高い身元確認保証レベルである、マイナンバーカードによる公的個人認証の結果をもとにした生体パスポートにより、医療機関、屋内遊戯施設、避難所、観光施設、行政手続きなどあらゆるサービスにおいて個人認証が可能な仕組みを構築します。また、決済情報も紐づけることで、交通機関や買い物などのユースケースを市内全域に拡大していきます。本構想で活用する生体パスポートは、株式会社Liquidが今年度開発中の「デジタル身分証アプリ」を活用します。
*1 「デジタルアイデンティティガイドライン(SP800-63-3)」より、各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議が作成した「行政手続におけるオンラインによる本人確認の手法に関するガイドライン」で定義される身元確認保証レベル
【中長期構想】
例:医療機関
受診の予約から問診票への回答、当日の受付や決済までを生体パスポート上で行い、受診当日は受付のみで済む仕組みの整備を目指します。また事前に患者本人の同意を得た上で、投薬履歴や持病の有無などの情報を、連携する医療機関で横断的に確認できるようにしていきます。
<期待できること>
・受診にかかる手間削減
受診に必要な登録から決済までを一気通貫で行え、これまで受診日に必要だった手続きを削減。また顔認証やマイナンバーカードで受付できることで、医療機関ごとに異なる診察券の使い分けが不要。
・医療情報連携による質の高い医療の提供
診察時のスムーズな診療情報の共有のほか、緊急搬送された意識のない患者の認証なども行えることで、適切な医療の提供が可能。
例:交通機関
バスの乗車や降車時に、生体パスポートで乗車賃の支払いができるよう目指します。また生体パスポートに登録された年齢などの情報をもとに、学割や高齢者割引などにも対応していきます。
<期待できること>
・決済の手間削減
スマホや現金などを取り出す必要なく、顔認証で決済可能。
・属性に応じて異なる手続きを簡素化
学割や高齢者割引などの金額変更が柔軟に。
例:観光施設(ふるさと納税)
生体パスポートで、道の駅や土産物施設の商品をふるさと納税の返礼品として購入し、寄附金控除の手続きまでを一気通貫で行えるよう目指します。
<期待できること>
・ふるさと納税の利用拡大
観光客は、商品を実際に見てから寄附ができ、またすぐに返礼品を受け取ることができます。観光客が旅先でふるさと納税をしやすくなることで、ふるさと納税の利用拡大につながり地域活性化にも貢献します。
【今年度の取り組み】
医療機関、屋内遊戯施設、避難所を対象に、誰⼀⼈取り残さず「くらしの安全と利便性」の両⽴が図られるよう、(1)各施設での顔認証を実現するための⽣体パスポート(2)マイナンバーカード受付の2種類の個人認証⼿段を提供します。生体パスポートには、Liquidが今年度開発中の「デジタル身分証アプリ」を活用します。また自治体初の取り組みとして、デジタル化への対応が遅れがちな子どもや高齢の親などスマホを利用できない方でも生体パスポートが使えるように、家族の情報に紐づけて登録することが可能です。これらの仕組みを今年度中に開発し、施設への本格提供は2024年春を予定しています。
▼個人認証の手段について
(1)生体パスポート | (2)マイナンバーカード受付 | |
アカウント登録 | 利用者のスマホで実施。アプリでアカウントを作成し、マイナンバーカードによる公的個人認証で本人確認を行い、顔情報を登録。 ※子どもや高齢の親なども、家族の情報に紐づけて登録可能(自治体初) | 事前のアカウント登録はなし。 |
個人認証方法 | 施設に設置された顔認証端末に顔をかざして認証。 | 施設に設置されたマイナンバーカード受付用端末で認証。 |
1.医療機関 「加賀市医療センター」
診察券の代わりに生体パスポートもしくはマイナンバーカードで受付できるようにし、診察券レス化を実現します。
<期待できること>
・受付時間の短縮
顔認証で受付できるようにすることで、手続きを簡素化し受付時間の短縮につなげます。
・診察券レス化
現状の受付はマイナンバーカードと診察券の両方が必要ですが、マイナンバーカードによる保険情報の資格確認と受付を同時に行えることで、診察券が不要となります。
2.屋内遊戯施設 「かがにこにこパーク」
市内の未就学児・小学生に配布される「にこパス」を入場時に提示することで、市⺠は無料で施設利用が可能でしたが、今後は、生体パスポートもしくはマイナンバーカードで入場できるようにします。
<期待できること>
・事務手続きの簡素化
市民がにこパスを忘れた場合には、紙の書類による事務手続きが発生していましたが、顔認証により運営スタッフの確認業務が削減されます。
・利⽤者の待ち時間短縮
混雑時は受付手続きに時間を要して待機列ができることもありましたが、顔認証によるスムーズな受付により、待ち時間が短縮されます。
3.避難所
災害時の避難所に顔認証およびマイナンバーカードの読み取り可能な端末を設置し、生体パスポートもしくはマイナンバーカードによる緊急避難時の本人確認を可能にするとともに、罹災証明書の発行に登録データを活用します。
<期待できること>
・避難者の迅速かつ正確な把握
避難者は、「避難者受付簿」に手書きで記入する手間をかけなくても、顔認証をするだけで、スムーズな受付をすることができます。
■加賀市 宮元市長コメント
加賀市では、消滅可能性都市からの脱却に向けて挑戦可能性都市「スマートシティ加賀」の取り組みを進めており、デジタルインフラとなるマイナンバーカードの普及や、ビジネスしやすい環境の構築に向けて「デジタル田園健康特区」の認定をいただきました。今回、発表する「加賀市版スマートパス構想」では、10年後の未来社会の先行実現に向け、マイナンバーカードで個人認証した顔情報を利用し、ID・パスワードの海から解放された圧倒的に利便性の高い安心・安全な社会を目指します。
■株式会社Liquid代表取締役 長谷川コメント
我々Liquidは、「認証を空気化し、滑らかな世界をつくる」というビジョンを掲げ、デジタルの力で社会が発展し続ける中、認証の安全性と利便性を高いレベルで両立することで、誰一人取り残さないデジタル社会の構築を目指しています。この度は、先進的な取組みに常に挑戦し続ける加賀市と連携し、「みんなに優しい」スマートシティの構築を目指せることは大変な喜びであり、是非とも加賀市民の皆さまにとって住みよい街づくりに貢献できればと考えております。
■加賀市について
加賀市は、市民がデジタル技術を活用して便利で快適にすごせるまちを目指す「スマートシティ加賀」を進めており、デジタル技術で人口減少など地域の課題に重点的に取り組む自治体として、国家戦略特区の一つである「デジタル田園健康特区」に指定されています。2023年4月に「デジタル田園都市国家構想交付金」の採択を受け、マイナンバーカードと生体パスポート(顔認証)を活用し、市内の様々な施設を“顔パスによる手ぶら”で利用できるようにする「加賀市版スマートパス構想」の実現を⽬指しています。
URL:https://www.city.kaga.ishikawa.jp/
■株式会社Liquidについて
Liquidは、生体認証を活用し、認証を空気化することで、世界約80億人全ての人があるがままの状態であらゆるサービスを簡単・安全に使える、なめらかな社会の実現を目指しています。また、携帯電話契約(携帯電話不正利用防止法)、金融の取引時確認(犯罪収益移転防止法)、中古品買取(古物営業法)、不動産取引、CtoC取引などにおける本人確認のオンライン化の流れに合わせ、業界や導入事業者をまたがって横断的に不正検知を行う仕組みを提供し、利便性とセキュリティの両面を追求して参ります。
URL:https://liquidinc.asia
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<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社Liquid 広報
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